BLOG

コンパクトでも快適!狭さを感じさせない間取りとは?

敷地やコスト、管理の問題など、住まいが小規模になるケースもあると思います。
小さな家はやっぱり窮屈?ウチは狭いから…と諦めるしかないのでしょうか?
そんなことはありません!
コンパクトでも、窮屈さ、退屈さを感じさせない間取りというのがあります。
どんなポイントを工夫するといいのでしょうか?

●分断しない

部屋をたくさん区切るとその分狭さを感じてしまうというのはなんとなく想像できると思います。
でも、だからと言って”がらんどう”では暮らしづらい。
なるべく区切らずに快適な空間にするにはどのような方法があるのでしょうか。

間仕切りは最小限にする

部屋はなるべく仕切らずに空間のつながりを持つことで広がりを感じます。
必要な場所には引き戸(スライド式の扉)をつけて、必要ない時には開けておくこともできるよう
可変性のあるものにしておくと、空間が一体にも出来て広くなります。

写真の手前に見えるのは寝室の引き戸(スライド式の扉)ですが、
木の枠の中に和紙でできたパネルが入っていて、閉じている時でも閉塞感が和らぎます。
夜は寝室の灯りがこの扉を通してぼんやりと漏れ、部屋自体が行灯のようにインテリアとして貢献します。
間仕切りは最小限に、仕切りが必要な時も、軽やかに仕切る方が狭さは感じません。

間仕切りがなくてもそれぞれの居場所をつくる

間仕切りがないと部屋として機能しづらいと思われるかもしれません。
例えば、同じ空間でも一部分だけ床を上げて別のスペースを作ったり、
例えば、仕切りの必要な部屋を真ん中に置いて両サイドを別空間として使ったり、
壁や扉で仕切らなくても、それぞれの役割を持たせた居場所を作ることは可能です。
そんな工夫をしながら間仕切りを減らすことは、狭さを感じさせないポイントです。
間仕切りをつけなくても成り立てば、扉の費用もかからなくて一石二鳥です。

見えそうで見えない奥行き感を演出する

全てを見渡せる空間は広々として良いような気もしますが、
コンパクトな空間では、あえて全てを見渡せないような間取りにするのも一つの方法です。
全てを見渡せてしまうのではなく、少しだけ見えることでその先を想像する力が働きます。
向こうにも続いている、と次に続く空間をほのめかすことで奥行きを感じさせることができるのです。
全てが見渡せないので、扉などで仕切る必要性も感じにくくなり、
同時に、空間のつながりを保って広がりを感じさせることができます。

●回遊動線を考える

回遊動線とは、家の中をぐるぐると動ける動線のことです。
行動制限の少ない行き止まりのない動線は、窮屈さがなく広さを感じます。
動きのルートや動ける距離が増える事で、狭さを感じにくくなります。

少しでも広さを確保するために廊下を作らない、という考え方もありますが、
写真の事例では、リビングダイニングを2畳増やすことよりも、
その2畳分で行動パターンを増やすルートを取る事を優先しています。その方が効果的なケースもありますし、
廊下を設ける時でも、緑の見える窓があったり、壁一面に本棚のある図書廊下だったり、ただ移動するためのものではなく
何か楽しくなるプラスαを工夫すれば、無駄と思われがちな廊下を別の空間として生かすこともできます。
もちろん、廊下を作らずに回遊動線を確保することもできます。

●『兼ねる』を探す

兼ねるにも色々な種類がありますが、ここでは幾つかの例をご紹介します。
自分の暮らしに合わせた「兼ねる」を見つけると、無理をせずに快適度をグン!と上げることができます。
ぜひ自分の兼ねるを探してみてください。

例えば『デスクコーナー』(夫婦で兼ねる)

写真の押入れは、右側は収納、左側は扉を開くとデスクコーナーになっています。
横に通る木のラインがデスクで、下の扉の中には椅子が収納されています。
妻の化粧コーナーでもある家事デスクは、夜には夫の書斎デスクになります。
それぞれの収納と時間帯をうまく使い分けて、
家事コーナーと書斎コーナーを兼ねることで、必要なスペースを半分にしています。
扉内に作ることで、使用していない時はすっきりとした部屋として来客用にも使えます。

例えば『バスコート』(敷地の隙間を兼ねる)

坪庭に面したお風呂が素敵♪と思っても、スペース的に難しい、ということがあります。
そんな時は、敷地の隙間をバスコートとして兼ねてしまいます。
お風呂と敷地のちょっと空いた場所に緑を植えて、ライトアップをしてみる。
ちょうどいい感じに窓をつければ、庭には出られなくても、緑を眺めながら入れるお風呂になります。

例えば『ランドリールーム』(洗面脱衣室と兼ねる)

あったら便利そうだけど、一部屋多くなってしまうのは…な時は、
洗面脱衣室をほんの少し広めに作って兼ねてしまいます。
ちょっとした作業デスクと下着やタオルを収納できる棚、天井にハンガーパイプをつければ、
立派なランドリールームです。お風呂に入る人と作業の時間がかぶらなければそんなに問題はありません。

例えば『隙間』(収納を兼ねる)

柱と柱の間を壁で塞がぐ代わりに棚をつけて本棚にしたり、
階段の踏み板の下を引き出し収納にしたり、隙間の有効利用も効果的です。
階段下の狭いスペースが落ち着く書斎スペースになったり、隙間を見つけて上手に利用するのもいいですね。

●表情が豊かになる工夫をする

コンパクトな上に単調な景色ばかりでは、飽きがきて窮屈に感じてしまうことがあります。
部屋の広さは変わらなくても、窓の位置や大きさ、天井や床の高さを変えるだけで、一気に表情豊かな部屋になります。
飽きのこない空間は、狭さを感じさせません。

違う雰囲気にする

上の2枚の写真は、同じリビングダイニングを違う方向から見ています。
この事例のリビングとダイニングは、1〜2歩で移動可能な広さですが、
リビングにいる時とダイニングにいる時は、違う場所にいるような雰囲気にしています。
ダイニングに座れば、コーナーにある目線の位置のスリット窓からの、緑に囲まれた落ち着いたダイニングに。
リビングのソファに座れば、全開口式の大きな窓からテラスにつながる開放的なリビングに。
同じ部屋でも、向きが変わるだけで違う景色を楽しむ事ができれば、2つの空間を堪能するように、狭さを感じにくくなります。

天井や床の高さを変える

一部分だけ天井を下げたり、床を上げたりするだけで、
同じ空間の中でも、その部分だけが違った居心地の場所になります。
動きがあって見た目にも表情が豊かになりますよね。
コンパクトな中にも、いろいろな居心地の場所がある事で、飽きのこない空間になります。
半階程度床の位置をずらした中2階のあるスキップフロアなんかも、表情が豊かになる上、
上下階とのつかながりに伸びやかな印象を与えるのでオススメです。

●テラスや天窓などで外を取り込む

テラスと一体になるリビングなど、外の広がりを空間として取り込みます。
テラスが取れない場合でも、大きな窓で外の景色を取り込めば、それだけでも広がりが出てきます。
良い景色がない時は、空を取り込むのも気持ちの良いものです。

※テラスと一体になるリビングについてはまた今度詳しくお話しします。

●徹底的にシンプルを楽しむ

コンパクトさを魅せるという考え方もあります。余計なものの一切ない潔い家は清々しいものです。
悪条件と思われがちな”コンパクト”さを、個性を生み出す好条件にしてしまうのも楽しいです。

●まとめ

コンパクトでも豊かに暮らす方法があることをお伝えしてきました。
最後にもう一つ大切なこととして、『優先順位を決める』というのがあります。
あれもこれもには限界がありますし、中途半端にどれもに手を出してしまうと、全てが今ひとつ、という事になりかねません。
全ての希望を無理矢理盛り込むよりも、ここに全力をかけた!という場所が一つあることの方が、自分らしい住まいになります。
自分が一番望むことは何なのかを考えて、限りある予算や空間を”そこ”に集約する方が、満足度の高い住まいにつながります。
優先順位を決め、様々な工夫をし、コンパクトだからこそ考え抜かれた魅力的な住まいを目指してみませんか?

[今回ご紹介した写真の住宅は全てSHU一級建築士事務所のHPで詳しくご覧いただけます。]